健康コンサルタントに聞く、内側からの身体作り
身体を作り上げている食事は、スポーツをする人にとって大切な習慣ですよね。栄養素が不足すると様々な問題が身体に影響してきます。
また、しっかり栄養を摂ると驚くほど、調子が良くなったりします。食事を含めた身体作りは子どもたちにも欠かせないですよね。
そのため個人の特徴に合わせた身体の内側の管理が、近年注目されています。
この記事の目次
丈夫な骨は筋肉を支え、骨折の防止になる
今回取材したのは、去年まで株式会社タニタ開発部に勤務していた本田由佳さんです。
女性やアスリートの研究を行い、書籍『タニタと作る美人の習慣』ではコラム執筆、健康美ボディ基準やアスリートスコア開発を担当するなど、幅広く活躍されています。
「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2013」のメディカルチームスタッフとして大会に参加していた本田さんが手にしていたのは、選手一人一人の骨密度を示したデータ。
U-12は1年間で身長が5㎝、10㎝と急速に伸びるなど、成長のピークが高い年代です。
骨密度は骨がぎゅっとつまった状態であるかどうかみる指標で「骨の強さ」を表します。成長と共に高まっていくので、成長期の骨密度は、数年後に丈夫な骨であるために大きく関係しています。
丈夫な骨は筋肉を支え、骨折の防止になるのでサッカーにおいてもフィジカル面で心強い武器となりますね。
骨密度を高めるには適度な運動が必要
本田さんが骨密度とスポーツの関係を「骨密度を高めるには適度な運動が必要」と語るように、サッカーをやっている子供たちの骨密度は高い傾向にあるそうですよ。
しかし「同じ体重でも中身が違う」とも本田さんが言うように、成長は個人差があるもの。
一人一人のデータを取れば、個人に合ったトレーニングをすることができます。そうすれば骨への負担をかけ過ぎることなく、効果的な育成に繋がるのですね。
貯水によってコンディションを整える
次に水分の摂り方(貯水)に気を付けることの重要性を語った本田さん。1日1L~2Lの水を少しずつ飲むのが良いとのこと。
8月末に行われた今大会は気温が高かったため、熱中症対策としても効果的ですが、体重も大きく関係しているそうです。
「試合前後で体重を量り、ベストコンディション時の体重を知ることが大切。
試合前後で体重は変化するので、貯水によって体重をキープすること」と本田さんは語り、試合前後の体重差を減らすために、貯水を練習のない日や試合の前日など普段からも心がけることが、ベストコンディションに繋がる要因だと分かりました。
レインボーカラーの食事でファイトケミカルを取り入れ抗酸化
そして身体作りに欠かせない食事について触れると「ファイトケミカル」という聞き慣れない単語が出てきました。
「ファイトケミカル」とは、植物性の食品に含まれる天然の化学成分を指し、この成分の特徴が「抗酸化」。生活習慣病や老化など様々な弊害を生む「活性酸素」を抑える働きをしてくれます。
酸素を大量に使うスポーツやストレスからも「活性酸素」が発生するそうですよ。それを抑制する「抗酸化物質」を摂るための理想は、レインボーカラーの食事を摂ること。バランスの取れた食生活で、内側からのケアとして「ファイトケミカル」を多く取り入れたいですね。
栄養による体調管理で負傷者軽減
実際に本田さんは、去年の6月~8月に負傷者が増え、メンバー不足に陥ったアマチュアサッカーチームの体調管理を行いました。
当時、試合後の体重は試合前と比べて-2㎏~-3㎏ほど差があったそうです。
そこでデータをもとにアドバイスと栄養バランスを考えた食事メニューに変えた結果、体重をキープできるようになり、今年は負傷者が出ていないと嬉しそうに語ってくれました。
この結果から科学的データに基づいた栄養素の取り入れは、チームの向上に結びつくと言えます。
専門家のサポートによって、より良いコンディションを維持できるようになりましたね。これからも効果的な身体づくりに注目していきたいです。
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪でなでしこジャパンや女子レスリング金メダリストの伊調馨らを取材。フジテレビ「とくダネ!」に出演するなど現在スポーツライターとして活躍中。